この記事の要点 2026年3月16日、金融庁が仮想通貨無登録業者の罰則強化方針を示す 拘禁刑3年→10年、罰金300万→1,000万円へ上限引き上げ 警告書中心の対応から刑事告発を目的とする犯則調査へ転換 無登録取引所の […]この記事の要点 2026年3月16日、金融庁が仮想通貨無登録業者の罰則強化方針を示す 拘禁刑3年→10年、罰金300万→1,000万円へ上限引き上げ 警告書中心の対応から刑事告発を目的とする犯則調査へ転換 無登録取引所の […]

金融庁、仮想通貨の無登録販売業者へ「罰則3倍超」|犯則調査の導入も視野に

2026/03/17 10:12
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この記事の要点

  • 2026年3月16日、金融庁が仮想通貨無登録業者の罰則強化方針を示す
  • 拘禁刑3年→10年、罰金300万→1,000万円へ上限引き上げ
  • 警告書中心の対応から刑事告発を目的とする犯則調査へ転換
  • 無登録取引所の利用者も資産凍結リスクに直面する可能性

仮想通貨の無登録販売、拘禁10年以下に大幅引き上げへ

2026年3月16日、金融庁が仮想通貨(暗号資産)の無登録販売業者に対する罰則を大幅に引き上げる方針であることが明らかになりました。

日本経済新聞の報道によると、現行の「拘禁刑3年以下または罰金300万円以下」から「拘禁刑10年以下または罰金1,000万円以下」へと刑事罰の上限がそれぞれ引き上げられ、拘禁刑・罰金ともに上限は現行比で約3倍以上となる見込みです。

対象は無登録の仮想通貨販売業者にとどまらず、無登録で店頭デリバティブ取引を勧誘する業者にも同様の罰則が適用されるものとみられています。

罰則強化と並行して、金融庁は取り締まり体制の強化も進める方針を示しています。

これまで無登録業者への対応は警告書の発出や営業禁止・停止命令にとどまっていたものの、今後は証拠の差し押さえや取り調べを通じて刑事告発を目的とする「犯則調査」の対象とする方針です。

今回の改正は近く特別国会に提出される金融商品取引法などの改正案に盛り込まれる予定で、仮想通貨の規制が資金決済法から金融商品取引法へ移行する中、罰則強化も金商法の枠組みで整備される見通しです。

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警告から刑事告発へ、金融庁が無登録業者への対応を転換

警告5社・注意喚起と、積み重なった行政指導の限界

金融庁はこれまでも無登録業者への対応を段階的に強化してきました。

2024年11月には、国内で無登録のまま仮想通貨交換業を運営しているとして、KuCoin(クーコイン)、Bybit(バイビット)、MEXCグローバル、Bitget(ビットゲット)、ビットキャッスルの海外仮想通貨取引所5社に対して警告書を発出しています。

2025年10月には、金融庁が運営するXアカウント「金融庁金融トラブル注意喚起情報」が、日本で無登録運営する仮想通貨取引所を宣伝する複数のSNSアカウントに対して注意喚起を実施しました。

こうした行政指導的な対応が積み重なる中で、法的根拠を持った刑事的取り締まりへの移行が模索されてきました。

サナエトークン問題が露わにした無登録発行の抜け穴

そこへ拍車をかけたのが、2026年2月末に発行された「サナエトークン(SANAE TOKEN)」をめぐる問題です。

高市早苗首相の名前を冠した同トークンは、NoBorder DAOが推進する「Japan is Back」プロジェクトの一環として発行されたものの、発行・設計業務を担った株式会社neuに暗号資産交換業の登録がなかったとの疑いが浮上しました。

金融庁は3月初旬、この問題を受けて関連業者への調査検討に入ったことを明らかにしています。

首相本人は関与を全面否定しましたが、政治家名を利用したトークン発行が投資家の判断に影響を与えた構図は、無登録業者に対する規制の在り方を改めて問い直す契機となりました。

警告書の発出や営業停止命令などの行政指導だけでは、無登録業者の活動を十分に抑止できない状況が続いてきました。こうした事案を受け、金融庁はインサイダー規制や情報開示義務の整備と並び、罰則の厳格化を制度改正の柱の一つとして位置づけています。

無登録取引所を利用する仮想通貨ユーザーへの影響

今回の方針が法改正として成立すれば、無登録業者への対応は従来の行政指導中心の枠組みから、証拠の差し押さえや取り調べを伴う「犯則調査」へと移行する見通しです・

刑事告発を前提とした法執行が可能になるにことに加え、罰則も大幅に引き上げられ、罰金の上限は300万円から1,000万円へ、拘禁刑の上限は3年から10年へと拡大します。

これにより、無登録業者が得る経済的利益に対する抑止力は従来よりも強まるとみられています。

特に海外を拠点としながら日本の利用者にサービスを提供している仮想通貨取引所にとっては、法的リスクがこれまでより大きく高まる可能性があります。

こうした規制強化は、無登録の取引所やウォレットサービスを利用している仮想通貨ユーザーにも影響する可能性があります。事業者が突然サービス停止や資産凍結に追い込まれる事態が起きた場合、利用者の資産管理にも影響が及ぶ懸念が広がっています。

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仮想通貨規制の強化をめぐる議論は日本に限らず、仮想通貨をどの法律の枠組みで扱うべきかについて世界各国の規制当局がそれぞれ異なるアプローチを模索しています。

こうした議論の一例として、オーストラリア証券投資委員会(ASIC)のフィンテック担当幹部リース・ボレン博士は3月11日、メルボルン大学で開かれた会議で論文を発表し、仮想通貨のために新たな専用規制を設ける必要はないとの見解を示しました。

同氏は、規制の判断基準はブロックチェーンなどの技術的な形式ではなく「経済的本質」に基づくべきだとし、電子商取引や電子決済の普及など過去の金融革新でも規制当局は既存法を拡張・適応させる形で対応してきたと指摘しています。

そのうえで、仮想通貨を「従来の金融商品とは根本的に異なるもの」として扱う政策は過去に繰り返されてきた政策上の誤りに陥るリスクがあると警告しており、無登録業者への刑事罰強化と犯則調査の導入を進める日本とは異なる方向性を示しています。

日本とオーストラリアが示した対照的な二つのアプローチが今後どのような結果をもたらすか、各国の規制当局や市場参加者の関心が集まっています。

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Source:日本経済新聞
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