Zcashの創設者であるズーコ・ウィルコックス(Zooko Wilcox)氏も貢献者に名を連ねる独立系Zcash開発組織のシールデッド・ラボ(Shielded Labs)が、イーサリアム(Ethereum)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏からコンセンサスアーキテクチャ向けセキュリティ強化アップグレード「クロスリンク(Crosslink)」の継続的開発を支援するため寄付を受けたと2月7日に報告した。
シールデッド・ラボは、Zcashのコンセンサスを強化するセキュリティ重視のアップグレードであるクロスリンクを開発している独立系の支援組織だ。同アップグレードは、Zcashの既存のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)に並列的なファイナリティ(最終確定性)レイヤーを追加することで、チェーン再編成やロールバック攻撃への耐性向上を目的としている。
クロスリンクでは、ブロック生成や経済活動は引き続きPoWチェーン上で行われる一方、ファイナリティ・ガジェットがブロックをアンカーし、より強力な決済の確定性を提供する。これにより、確定したトランザクションが巻き戻されるリスクが低減され、二重支払いの危険性を抑えることが可能になるという。
シールデッド・ラボによると今回の寄付は、現在プロトタイプ段階にあるクロスリンクを永続的かつインセンティブ付きのテストネットへと発展させ、最終的な本番環境への移行を目指すために活用される。テストネットでは、参加者がZECを報酬として獲得できる仕組みも検討されているとのことだ。
また今後のプロダクション化フェーズでは、設計仕様の策定、セキュリティ分析や監査、ウォレットやインフラ提供者との調整、Zcashコミュニティとの継続的な対話などが進められる予定だ。メインネットへの導入については、技術的な成熟度やセキュリティレビュー、コミュニティからの幅広い支持が前提条件になるとしている。
今回の寄付についてブテリン氏は、「Zcashはプライバシーに対して揺るぎない姿勢を持つ、非常に高潔な暗号資産プロジェクトだ。シールデッド・ラボによるクロスリンクの取り組みは、より低いセキュリティコストでZcashの安全性を高め、長期的な持続可能性を支えるものになる」とコメントした。
さらに同氏はX上でも、「ハイブリッド型プルーフ・オブ・ステークの追加は良い」と反応し、Zcashおよびクロスリンクの方向性を支持する姿勢を示した。
なお、ブテリン氏がシールデッド・ラボに寄付を行うのは今回が2度目となる。2023年には、クロスリンクに特化した専任チームの立ち上げを支援する目的で寄付を行っていた。シールデッド・ラボは、Zcashの開発基金やブロック報酬とは独立して運営されており、Zcash保有者や支援者からの寄付によって活動している。
1月21日には、米暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイ(Gemini)の創設者であるタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏およびキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏から、3,221ZEC(約1.9億円相当/約120万ドル相当)の寄付を受け取ったことを発表している。
同組織は「ヴィタリック氏は長年にわたりZcashを支援し、プロトコル設計やセキュリティに関する議論にも貢献してきた。今回の継続的な支援に深く感謝している」とコメントしている。
画像:大津賀


