- ビットコイン長期保有者の供給量は1434万BTCまで減少し、5月以来の最低水準となった。これは、ETF承認やトランプ氏の大統領選勝利後に10万ドルまで上昇した動きに伴う売りに続き、長期保有者による今サイクルにおける3度目の売却の波となった。
- 以前の強気相場では大きな売り局面が1回のみだったのに対し、今回のサイクルでは長期保有者による複数の売りの波が市場に吸収されてきたという特徴がある。
ビットコイン(BTC)長期保有者(LTH)の供給量は1434万2207BTCとなり、8カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。この水準は5月以来だ。これは、ビットコインが10月の史上最高値から約40%下落したタイミングと一致している。
グラスノード(Glassnode)は長期保有者を「ビットコインを155日以上保有している者」と定義しており、現在このグループに含まれるかどうかの境目は7月中旬頃となる。したがって、その時点で保有しており、保有を続けてきた購入者は長期保有者に分類される。
今回の落ち込みは、現在のサイクルにおける長期保有者による売りの明確な波としては三つ目にあたる。
最初の波は、アメリカの現物ビットコインETF(上場投資信託)発売の後、2023年後半から2024年初頭にかけて発生した。当時、ビットコインが約2万5000ドル(約388万円、1ドル155円換算)から上昇して2024年3月までに7万3000ドル(約1132万円)近くの高値をつける中、長期保有者は強気相場の中で売りを行った。
二つ目の波は、2024年それ以降にトランプ氏の大統領選勝利をめぐる楽観的な見方に後押しされてビットコインが10万ドル(約1550万円)に向かって上昇する中で発生した。ビットコインが年間の大部分で10万ドルを上回って推移する中、市場は現在、長期保有者による売りの三つ目の波を経験している。
なぜ今回のサイクルは異なるのか?
この動きは、2013年、2017年、2021年に発生した過去の強気相場とは対照的だ。これらの強気相場では、長期保有者の供給は通常、1回限りの急増と急減というパターンをたどり、熱狂的なサイクルのピーク付近で底を打った後に徐々に回復してきた。
一方、今回のサイクルでは、明確な急増・急減を迎えることなく売りの波が繰り返されている。この動きに言及したチェックオンチェーン(Checkonchain)共同創設者であるアレック(Alec)氏は、今回のサイクルにおけるビットコイン長期保有者の売りは近年見られなかったものであり、市場は3回目の売り波を驚くほどよく吸収していると指摘した。
長期保有者による売りは、ビットコイン市場における売り圧力の最大の要因の1つであり続けており、10月の史上最高値から約40%調整した主要な要因となっている。
|翻訳・編集:林理南
|画像:長期保有者の供給量(グラスノード)
|原文:Bitcoin long term holder supply hits 8 month low, breaking historical cycle patterns
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