• ビットコインは12月17日、価格が週間安値まで反落し、早朝の上昇はすでに、遠い昔の記憶のようだ。
  • 貴金属は買いが続き、銀はまたもや最高値を更新し、金も史上最高値に迫っている。
  • あるアナリストは、年末のポジション調整や税務上の考慮から、現在のビットコインの価格動向を深読みし過ぎないよう警告した。

ビットコイン(BTC)は12月17日早朝、「バート・シンプソン・パターン」と呼ばれる恐ろしい動きを見せ、価格が急騰した後数分間横ばいとなり、瞬く間に前値まで急落した。このような値動きの結果、チャート上に描かれる形状が有名なアニメキャラクターの頭部に似ていることから、こう呼ばれる。

暗号資産(仮想通貨)市場は再び、厄介な状況に陥っているようだ。株価が上昇局面ではまったく連動しないが、下落局面では株価と1対1の連動性を示すというパターンである。

実際、今朝の大幅な反発はナスダックと共に崩れた。人工知能(AI)関連銘柄への熱狂がさらに冷めたことで、ナスダックは下落に転じ始めた。引け約90分前、ハイテク株中心の同指数は1.5%安。半導体セクターの大半がさらに急落したことが主な要因だ。

しかし、暗号資産強気派にとってより苛立たしいのは、貴金属の急騰が続いていることだろう。銀はさらに5%急騰して最高値を更新。金は1%上昇し、史上最高値をわずかに下回る水準だ。

かつてビットコイナーたちは、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融緩和時にはビットコインが好まれる資産となり、株式市場が混乱した時には安全資産として買い集められると期待していた。ところが実際には、金や銀、さらには銅がその買いを集めている。

今週の暗号資産の実績は芳しくない。ビットコインは8%安、イーサリアム(ETH)は15%安、ソラナ(SOL)とエックス・アール・ピー(XRP)は12%安となっている。

底値はどこか?

ウィンターミュート(Wintermute)のデスクストラテジスト、ジャスパー・デ・マーレ(Jasper De Maere)氏によれば、ビットコインは8万6000ドル〜9万2000ドルの範囲で推移する可能性が高い。

現在の調整レンジではボラティリティが高いため、トレーダーが清算に苦しむ中での今日の急激な価格変動は特に異常ではないと、デ・マーレ氏は付け加えた。

デ・マーレ氏は、現時点でテクニカル指標を深読みし過ぎるべきではないと警告し、年末のポートフォリオ調整や税務上の考慮から今後2週間でさらなる利益確定売りが発生すると予想。

「人々は一息つくためにポジションを縮小している…短命な反発はすぐに売り込まれる」と述べた。

デ・マーレ氏は、新たな材料が出るまでビットコインの横ばい相場は続くと見込み、その材料の一つとして12月下旬の大規模なオプション満期を挙げた。

まだ底入れを示唆してはいないが、デ・マーレ氏は市場にその兆候が現れ始めていると述べた。「我々は最大の苦痛(マックスペイン)に直面していると感じる。短期的には、明らかに売られ過ぎ状態だ」と語った。

|翻訳・編集:山口晶子
|画像:Shutterstock
|原文:Traders mull the bottom as bitcoin returns to week’s lows below $86,000

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