トランプ米大統領は5月19日、フィンテック企業向け規制の簡素化を連邦金融規制当局に指示し、暗号資産企業などノンバンク事業者の決済システムへの幅広いアクセスを連邦準備制度理事会に検討要請する大統領令に署名した。
大統領令は、過度に厳しい規制が既存銀行の利益となり新規参入者に不利益をもたらしているとの認識を示し、各規制当局に対して90日および180日の期限内に見直し案の特定と実行を求めている。
見直し対象は6つの連邦金融規制当局で、証券取引委員会(SEC)、商品先物取引委員会(CFTC)、消費者金融保護局が含まれる。連邦預金保険公社(FDIC)、通貨監督庁(OCC)、全米信用組合管理庁も対象。
各機関は、フィンテック企業の参入を妨げている既存規制、ガイダンス、監督慣行、申請手続きを見直す必要がある。特に銀行免許、信用組合免許、適格フィンテック企業向けの預金保険取得の障害についても調査対象とする。
各機関の長は経済政策担当大統領補佐官と連携し、180日以内に対応しなければならない。大統領令は、安全性や健全性、消費者保護、市場の公正性を担保条件としている。
大統領令は、連邦準備制度理事会に対し、120日以内に並行して見直しを行うよう求めている。審査の対象は、預金保険未加入の金融機関や非銀行企業(暗号資産企業含む)が連邦準備銀行の決済サービスへアクセスできるかどうかなど。
また、個別の連邦準備銀行がこうした申請に独自に対応できるかどうかを確認するよう要請している。この点はCustodiaなど暗号資産銀行のマスター口座アクセスをめぐる過去の論争が背景。
現行法でアクセス拡大が認められる場合、連邦準備制度に対し、透明性ある申請手続きの公開を求めている。申請が完了した案件は90日以内に判断することが義務付けられる。
Custodia Bank創業者のケイトリン・ロング氏は、本指示を歓迎した。同氏は長年、連邦準備制度が法的に認可可能な機関の米国決済システムアクセスを妨げていると主張してきた。Custodiaは2023年にマスター口座承認を巡る訴訟で敗訴している。トランプ政権はこれ以前にも暗号資産企業のデバンキング対策を進めてきた経緯がある。
この指示は、暗号資産企業が連邦決済システムへのアクセス拡大を引き続き求める中で発表された。クラーケンは今年、初めて米連邦準備制度に直接接続した暗号資産企業となった。リップルなど他の企業も申請プロセスにある。今後90日から180日の間で、規制当局が指示をどれだけ迅速に具体的なルール改正へと移すかが注目される。


