Allbirds(BIRD)株は、同社がフットウェア事業から完全撤退し、AIコンピュートインフラ事業へ転換すると発表した4月15日、700%超の急騰を示した。同様の事例は過去にもある。
1年足らず前にも、苦境にあった複数の製薬企業が暗号資産への事業転換を発表したが、これらの株価はその後急落している。
Allbirdsは2021年の新規株式公開(IPO)時に40億ドルの評価を受けていたが、3月に靴ブランド事業をAmerican Exchange Groupへ3900万ドルで売却した。
残された上場会社の枠組みは、5000万ドルの転換社債型ファイナンス枠を確保し、「NewBird AI」へと社名を変更。AI開発者向けのGPU貸与事業を新たに開始し、コンピュート不足の解消を目指す方針。
発表を受けてAllbirdsのBIRD株は700%超の上昇となった。今後も需要拡大が続けば、さらに新たな高値を窺う展開。
ただし、同社はハードウェア、データセンター、クラウドサービス分野では全く実績がないことに注意が必要。どちらの取引も5月18日の臨時株主総会で承認が必要。
こうした状況のもとで、アナリストらは株価と事業実態との乖離に言及した。
2025年には少なくとも4社の医療関連企業が本業を捨てて暗号資産系トレジャリー企業へ転換した。
どの株式も発表時には急騰した。しかし、その後は明暗が分かれる。ヘリウス・メディカルは最高値25ドル近辺から現在2.31ドル前後まで下落。
ナカモトは0.22ドルまで下落し、ナスダックの上場廃止回避のため株式併合を検討中。ライト・ストラテジーは1.10ドル前後、時価総額は約4000万ドル。
Master Ventures創業者のカイル・チャッセ氏は、今回の現象を「AI効果」と呼び、まだ序章に過ぎないと指摘する。
このパターンは一貫している。業績不振の企業が本業を売却し、旬の話題に乗ることで株価が急騰する。
だが暗号資産トレジャリー企業では、実際の実行力を市場が求めるとバブルは消滅した。
AIコンピュート需要が現実であることは疑いない。しかし、ビットコインやイーサリアム、ソラナ(SOL)への需要もまた現実だった。
NewBird AIがこの流れを打破できるか、それとも従うことになるかは、5000万ドルで、数十億ドルを投じるハイパースケーラーが支配する市場で十分に戦えるか次第といえる。


