フランクリン・テンプルトンが、今年初めにベンチャーキャピタルのコインファンドからスピンオフした250デジタルを買収し、独立した暗号資産部門を立ち上げる。
運用資産1兆7000億ドルの同資産運用会社が、これまでで最も大胆なデジタル資産領域への進出を図る。ターゲットは年金基金や政府系ファンド。
新部門は「フランクリン・クリプト」の名称で運営する。運営責任者はともに元コインファンド幹部であるクリストファー・パーキンス氏とセス・ジンズ氏。イノベーション統括のサンディ・コール氏がグループ全体を監督する。
フランクリンは2018年から暗号資産領域で活動しており、現在50人以上のデジタル資産専門家を擁する。同社は既にビットコインETFの提供や、バイナンスでのトークン化したマネーマーケットファンドの運用を行う。今回の買収で戦略がパッシブ型商品から、より運用に積極的な機関投資家向けの商品提供へとシフトする。
タイミングも重要。ビットコイン価格は昨年秋に12万6000ドルを超えてから約45%下落。暗号資産全体の時価総額からは約2兆ドルが消失した。フランクリンの経営陣は、この低迷局面を人材確保とインフラ整備を安価に推進する好機と捉える。
特に異例なのが支払い方法。フランクリンはBENJIトークン(自社のブロックチェーン基盤の公社債マネーファンド連動トークン)を買収代金の一部支払いに用いる予定。企業買収で代金を一部オンチェーン決済するのは、先駆的な事例となる。
取引完了は2026年半ばの見込み。金額などの詳細条件は非公表。
